毎日暑い日が続きますね。
当科のブログの更新もすっかり滞ってしまっておりますが(滞ったのは暑くなる前からですが)、フェローの力もお借りして、久しぶりに更新いたします。
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2014/8/5 第5回緩和ケア関連合同抄読会 (於:脳外科カンファレンスルーム)
(注)昨年度から始まった緩和ケア関連合同抄読会では、第1回:呼吸器内科、第2回:心不全チーム、第3回・4回:腎臓高血圧内科の諸先生方とともに、当該分野の緩和ケア関連論文を読み、ディスカッションをしてきました。
第5回目となる今回は、これまでとは趣向を変え、一見緩和ケアとは関連がなさそうな、「脳卒中」関連の質的研究を取り扱ったイギリスの論文(Provision of palliative and end-of-life care in stroke units: A qualitative study Gardiner et. al Palliative Medicine 2013; 27(9) 855-860)を扱いました。
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2014/8/5 第5回緩和ケア関連合同抄読会 (於:脳外科カンファレンスルーム)
(注)昨年度から始まった緩和ケア関連合同抄読会では、第1回:呼吸器内科、第2回:心不全チーム、第3回・4回:腎臓高血圧内科の諸先生方とともに、当該分野の緩和ケア関連論文を読み、ディスカッションをしてきました。
第5回目となる今回は、これまでとは趣向を変え、一見緩和ケアとは関連がなさそうな、「脳卒中」関連の質的研究を取り扱ったイギリスの論文(Provision of palliative and end-of-life care in stroke units: A qualitative study Gardiner et. al Palliative Medicine 2013; 27(9) 855-860)を扱いました。
脳卒中は主要な死因の一つであり、発症後30日以内に20-30%が死亡します。最近の研究データでは、治癒の見込めない患者に対し緩和ケアを導入することが苦痛の軽減につながることが明らかになってきており、今後脳卒中の緩和ケアは、予防・治療・リハビリと統合される必要があるといわれています。そこを踏まえ、本論文では、イギリスのstroke unit(脳卒中病棟)で働く専門職66名に対し、緩和ケアに対する認識を明らかにするための質的研究を行い、主な3つのテーマを抽出しています(スライド1参照)。以下に、テーマと議論の概要を示します。
スライド1
・参加者全員の一致した意見であった
・脳卒中病棟に緩和ケアベッドを導入した施設もある
・「緩和ケア」=「退院支援」「家で看取ること」ととらえる者が多い
・緩和ケアの一環として、Liverpool Care Pathwayを用いている場合が多い
Liverpool Care Pathway:1990年代に始まったホスピスにおける看取りのパス
インフォームドコンセントなしにさまざまな疾患に適用され、問題となった
(2)
いつ緩和ケアを導入すればよいのか?
・緩和ケア=エンドオブライフケアとすれば、いつから導入するのか?
・必要がないと思われる検査を終末期に行うことについての是非
(3)
急性期患者に緩和ケアを導入すべきか?
・緩和ケア=エンドオブライフケア、と考える医療者が多いため、「急性期」の患者には緩和ケア導入の必要がないと考えられがちである
・「超急性期の治療的介入」と「緩和ケア」:二つのアプローチは両立できるか?
様々な意見を紹介し質的な検討を加えた上で、当論文では、(1)イギリスの脳卒中病棟では緩和ケア(=エンドオブライフケア)は重要視されつつあるが、(2)急性期からの緩和ケア介入でQOLを上昇させる余地は依然としてあり、(3)緩和ケア専門チームと注意深く協働すれば、緩和ケアの有効な提供が可能となり、患者および家族が、よりよいケアおよびよりよい死の質について文書化する機会を与えることができる、と結論づけています(緩和ケア、エンドオブライフケア、ホスピスケアなど用語の定義についてはスライド2-4を参照)。
スライド2-4
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