2012年9月26日水曜日

事前指示(advance directives)の啓発活動

本日は多職種カンファレンスで、亀田医療大学の足立智孝先生による事前指示(advance directives)のミニ講義がありました。復習ですが、事前指示の概念としては、まず事前の人生設計(advance life planning)があり、その次に、事前ケア計画(advance care planning)が検討され、そのために事前指示書が作成され、その事前指示書の中のひとつにリビングウィル(遺言)も含まれるという構図になります。

事前指示の決まったフォーマットを作成して患者さんに記入を促す取り組みをしている病院についての紹介がありました。このような先進的な取り組みから学びつつ、当院でもこのテーマについて、継続的に話し合いよりよい仕組みを模索していくことになります。

米国では、事前指示書は医療を受ける場合に頻繁に目にするごく日常的な存在です。米国ではプライマリケアの診療であっても、事前指示に関する書類が日々の診察時に自動的に配布されます。もちろん、米国人でこの書類の記入を終えている患者はごく少数派です。それでも事前指示書類を毎回医療機関を受診するたびに配布することには、患者教育の点で大きな意味があります。毎回書類を見るたびに、“ああ、このテーマね、、う~ん、今は分からないな。でもその時になったら考えるから”といった具合に事前指示の存在を知り、いつかは大切になり、これに向き合う必要があることを理解する助けになっているように思います。

当院でもこうした啓発運動をどうやって取り入れるか、これから話し合っていくべき課題です。

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