2013年5月28日火曜日


5/10 DPMPCジャーナルクラブより

Randomized controlled trial of a video decision support tool for cardiopulmonary resuscitation decision making in advanced cancer.

 2013 Jan 20;31(3):380-6. doi: 10.1200/JCO.2012.43.9570. Epub 2012 Dec 10.





論文の要旨は以下。
進行癌患者さんに対して

「もしも心臓が停止した場合に心肺蘇生法を希望するか否か」について

その意思決定を支援するための『ビデオ』の効果を調べた。

4つのがんセンターで150人の進行癌患者さんに対して研究を行った。

(150人中)80人は言語による心肺蘇生法と救命成功率について説明を受けた

残りの70人は同じ説明を聞いた後、模擬患者に対して行われる心肺蘇生法や人工呼吸器について3分間のビデオを見た。

結果どうなったかというと、

説明のみのグループでは38(48%)が心肺蘇生法を希望、41(51%)が希望せず。

ビデオを見たグループでは14(20%)が心肺蘇生法を希望、55(79%)が希望せず。

この研究は、あらかじめ患者さん本人が1年以上生きられないと説明を受け、理解できている人に対して行われている、という点が日本の現状とは大きく異なる点です。
この研究が行われたアメリカでは、自分自身で意思決定を行うという文化的背景があります。より良く生きるために、納得のいく選択を行う。

それを支援するためのツールとして、口頭での説明よりも視覚的イメージがあった方がより効果的、という、結論としては納得いく研究でした。

正しい情報を得て、もしもの時に備えて元気な時から自分の意思を話し合うことで、より良く生きることが出来るのかも知れません。(濱口)

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