2012年11月22日木曜日

清水わか子先生講演会

先週金曜日(11/16)に、お隣のがん診療連携拠点病院である、君津中央病院で放射線治療医としてご活躍の清水わか子先生による講演会が当院で開催されました。

タイトルは『放射線治療と症状制御: by radiation と for radiation 』です。

清水わか子先生は緩和ケア研修会のマスターファシリテーターとして日本各地でご活躍ですが、この講演会では、先生のご専門領域である放射線治療に関する基礎的な事項から、個々の症例でどこまで治療が可能なのか、どのような個別対応が可能かといった内容まで分かりやすく明快にお話下さいました。

とりわけ印象的だったのは、先生が患者さんやご家族と納得のいくコミュニケーションをとりながら、最善の治療方針を絶妙のさじ加減で組み立てておられることです。

緩和的放射線治療という用語については、治癒に近いところまで目指せるケースから疼痛緩和のみが目的の場合まで広範囲の治療を含むため、先生ご自身はこの用語を使わないようにされているとのこと。

放射線治療の領域でも過去のエビデンスは、時間が経過しているため、患者の治療予後予測などは、データ通りにはならない傾向にあること、エビデンスが少ない部分に関しては、最新の知識と
技術を駆使して、治療における利益とリスクと天秤にかけながら、治療方針を決めておられるとのことです。

一言で放射線治療といっても、治療ゴールによって治療内容は異なることが分かりました。また放射線治療領域では、治療医の専門性や力量によっては、患者が受けられる治療内容が違ってくる可能性も大いにあること、についても今後の課題であると感じました。

清水先生、ご多忙な中貴重なご講演ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。







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