2012年10月19日金曜日

社会保険中京病院での講演会

昨晩は、名古屋の社会保険中京病院で『緩和ケアにおけるナラティブメディシンと医療倫理』のテーマでお話をする機会がありました。社会保険中京病院は、除痛率をHPで公表している我が国でも数少ない病院であり、先日当院に講演に来てくださった吉本鉄介先生がいらっしゃる病院です。

当院で経験した3つの症例について患者さんの語り(ナラティブ)を紹介しつつ、苦痛に寄り添いながらサポートに努めたけれども倫理面で難しかった点を取り上げ、参加者と共有しました。

症例をベースに、医療倫理の四原則、Jonsenの四分割表、二重結果の原理、すべり坂理論、安楽死の四要件、治療の中止と差し控えにおける倫理的な考察、各学会の終末期医療のガイドライン、、といった重要な項目について復習しました。 

講演後に参加者から、医療者の側のナラティブの配慮はどうなっていますか?という鋭い質問があり、この点が緩和ケアにおいても重要なテーマであることを認識しました。困難な患者さんをサポートする場合には、患者さんを最大限サポートできるために、医療者は自らをケアし、互いにチームメンバーで困っているスタッフを助け合うような、日常の関係性やその仕組みが必要ですね。                                          

(文責 関根)

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